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暮らしの風景

Vol.6

薪ストーブと、お庭と、木の家と。

ご主人のご実家の敷地に建てられたO様邸。住まわれて5年を経た冬の晴れた日に、ご家族の暮らしを拝見しました。
 
 
 

   O様邸


         
   建築年   2017年
   取材年   2024年(取材時築7年経過)
   所在地   愛知県西尾市西小梛町
   敷地面積  319.65坪(1058.83㎡)
   延床面積  35.75坪(118.43㎡)
   住まい構成 ご夫婦+お子様1人(取材時)


 
薪ストーブ時間を楽しむ。
 

以前はアパートに住んでおられたO様。ご主人のご実家の横に家を新築することになり、「自然の優しさが感じられる家がいい」と木の家を中心に住宅展示場やモデルハウスを見学。通勤途中にあり気になっていたナルセノイエのモデルハウスもその時期に訪れ、悩んでいた敷地にまつわる心配事を一緒に解決できたことも手伝って、家づくりのパートナーにナルセノイエを選んでいただきました。
 
室内にお邪魔すると、「ログハウスもいいなぁと思っていました」というO様らしく、リビングに薪ストーブがあり、一部大谷石と木板張りの壁面も相まって山荘のようにも感じる雰囲気で、パチパチと燃える炎が暖かく、冬らしい風景。窓から見えるお庭に目を移すと、葉を落とし綺麗な樹形を見せてくれるヤマボウシが、柔らかな日差しを浴びてキラキラと輝いていました。

 

ご夫婦と9歳の娘さんの3人家族。薪ストーブのあるリビングが家族の暮らしの中心にある。娘さんが座るチェアの後ろの引き戸を開けると和室につながり、そこが娘さんのお部屋になっている。

 

薪ストーブのあるリビングを見渡せるキッチン。LDKが一体化していて、家族のコミュニケーションも取りやすい。娘さんはお料理が好きで、このキッチンでオムレツを作ってくれたりするのだそう。

お庭と薪ストーブを眺める特等席で、本を読むのが楽しいという娘さん。

 

 

薪ストーブ仕事は基本的にご主人のお仕事。近隣で大きな庭木の剪定があった時など、ご近所の方や庭師の方から連絡をもらい、引き取った枝木を薪にし、お庭の薪棚で自然乾燥しながら保管。お休みの日に、朝早く起きて火を焚べ、珈琲と新聞を読むひとり時間がご主人の楽しみ。
 
共働きで平日の日中は不在のため、冬の朝はファンヒーターで部屋を手早く温めて支度をして家を出発し、夕方に帰宅した後は、薪ストーブで暖をとる生活スタイル。最初は火を点けられなかった奥様もできるようになり、娘さんも薪を運んだりしてお手伝いをし、家族みんなでお世話。家族団欒の中心に薪ストーブがあります。
 
「この家が好きだよ!広いし、楽しいし、薪ストーブがあるから。薪ストーブは暖かいし、使うエネルギーも減るでしょう?」と娘さん。本が大好きな彼女は、読んだ本で薪ストーブが省エネに繋がると知り、嬉しかったと言います。

 
落ち着くお籠り時間
 

休日の薪ストーブ時間がご主人の至福の時ならば、奥様の至福は2Fフリースペースでのおひとりさま時間。気分転換したい時には、雑誌と珈琲を持って2Fに行き、その時間を満喫します。奥様が気兼ねなく楽しめるように、他のご家族は1Fで過ごしたりするのだそう。
 

2Fの一角にあるこのスペースは、勾配天井と床を小上がりにしているおかげで屋根裏部屋のような雰囲気。障子で光が柔らかくなり、ホッと落ち着くお籠り空間。
 

薪ストーブの暖かさも伝わるので、2Fは暖房機器なしで、十分暖かい。床をあげた壁の一部は木格子にし、1Fから光と風を運び入れている。面している廊下も明るい。

 
どの季節も楽しいお庭
 

自然を身近に感じる環境がお好きなO様のお住まいは、お庭もしっかりと確保されています。常緑樹と広葉樹、高木や低木と草花を織り交ぜてデザインされており、盛り土で高低差をつけたお庭は、公園のような雰囲気が感じられます。

お庭の手入れは主に奥様のお仕事。お庭のデザインに携わり、今も剪定をしてくれる女性の庭師さんから植物の種類や雑草対策、害虫対策などを学び、時には樹種の増減も相談して、無理なく一緒にお庭を育てています。

リビングとお庭の中間域にあるウッドデッキ。気候の良い時は、ここでお茶をしたり、お庭仕事の合間に腰掛けたり、洗濯物を干したりと、使い勝手が良い。

「クリスマスローズが咲きそうだよ!」「どんなお花なの?」
「バラみたいなお花が咲くんだよ」「へぇ〜楽しみ!」

ナンジャモンジャの木(ヒトツバタゴ)を中心として、石をサークル状に敷き詰め、グランドカバーで覆った西側のお庭。

東側のお庭も石の小径がつくられ、高低差や奥行きが感じられる。冬でも様々な色が楽しめるので寂しくない。

毎日違う表情を見せてくれるお庭には楽しさが詰まっています。

 
伸びやかに穏やかに暮らす
 

家族の時間も大切にしつつ、個々の時間もまた大切にされているO様の暮らし。同じ敷地内にあるご主人のご実家にはご両親がお住まいで、みんなでご飯を食べたり、パーティーをしたりもするのだそうです。

各々が居心地の良い場所や距離をしっかりと持ちつつ、伸びやかに暮らされているO様ご家族。日々お忙しいとは思いますが、笑顔の絶えない穏やかな空気が印象的です。

今はウッドデッキにハンモックをかけて寛ぐことがあるのですが、「このリビングにもハンモックかけられたら、もっと面白いよね!」と盛り上がるO様。

触り心地の優しい、八角形の階段手摺り。

 

肌触りの良い桧の床、一部建具に組み込まれたO様お気に入りのガラス、玄関ホール横のクロークにはご主人が染めた暖簾。好きなものが詰まった住まい。

住まわれて7年。好きなものに囲まれながら、これからも益々バージョンアップしながら住みこなしていくでしょう。家もお庭も、ご家族と一緒に成長していく様子が目に浮かび、拝見している我々も嬉しくなるようなひとときでした。
O様、暮らしを見せていただき、ありがとうございました。

(⽂・写真:松尾 絵美⼦)

〜追伸〜
O様より春のお写真をいただきました。クレマチスやモッコウバラなど、色とりどりの花に包まれたお庭は華やかで、楽しげな様子が伝わってきます。季節ごとの表情を見せてくれるお庭の存在は、手間も含めて暮らしをより豊かにしてくれますね。

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