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暮らしの風景

Vol.5

300年以上住まうこの地に建てた
これからの住まい

この地に住まわれて、ご主人で10 代目というK様ご家族が、8年前に建て替えた木の家。薪ストーブの周りに人が集まり、日々ゆるりと過ごされる暮らしを拝見しました。
 
 
 

   K様邸


         
   建築年   2016年
   取材年   2023年(取材時築7年経過)
   所在地   愛知県西尾市西幡豆町
   敷地面積  265.5坪(879.50㎡)
   延床面積  46.16坪(152.90㎡)
   住まい構成 ご夫婦+お子様2人(取材時)


 
暖かく、心地よい住まい。
 

以前の建物は、築40年ほどの木造住宅で、ご主人のお父様が建てられたものでした。入母屋造りの日本建築でしたが、住まううちに屋根から雨漏りし始めたこと、地下水が通っていることから地面の水分量が多く、布基礎だったため湿気が上がり、押入れの中などにカビが生えてしまったこと、耐震性能をあげたかったこと、そして何より、冬場は奥様や娘さんの手にしもやけができるほど寒かった室内環境を改善するためにリフォームを考え始め、やがて建て替えをすることに至ります。
 
最初はハウジングセンターをはじめとするモデルハウス等を30件ほど回ったそうです。そのうち、偶然通りかかったナルセコーポレーションのモデルハウスを見学し、スタッフと話をして、ご主人は"ここにお願いしよう”とすんなり決められたと言います。
 
「親身になって話をしてくれるので、信頼できるなと感じたし、インテリタイプだと思っていたスタッフさんが薪を運んだり肉体労働もしていたりして、親近感が沸きました。それに会社は公共工事もやっているし、大正時代から続いていたので、安心でした。」と話すご主人。
 
そうして建てられた新しい家は、玄関が広く、対面式のキッチンや日あたりの良いリビング、そして奥様が以前から憧れていた「薪ストーブ」のあるリビングが特徴的な、効率の良い生活動線とくつろぎ空間を兼ね備えた木の家となりました。
 
 
 

K様邸を南側正面から見る。並んで建つ左隣の家にはお母様がお住まいで、お互い行き来できるよう、簡易的な渡り廊下もある。

薪ストーブのあるリビングダイニング。対面式のキッチンの奥にはパントリーもあり、収納力も使い勝手も抜群とのこと。

玄関(写真左)の右手奥はシューズクロークになっており、さらにパントリーに繋がっている。
リビングと2Fへの階段の間には引き戸があり、開く閉じるの調整が容易い。(写真中央)
夏は排熱がスムーズな階段ホール。床材は桧で、足触りが良い。(写真右)

 
薪ストーブの周りに家族が集まる
 

奥様が以前から憧れていた薪ストーブを採用したK様。実はご主人も関心をお持ちだったことを、設計を考え始めた時に知り「意外だった!」と嬉しそうに語る奥様。
 
この日は暖かい1日でしたが、せっかくなので薪ストーブを点けていただきました。
 
奥様が薪ストーブ仕事をはじめると、ご主人が外から薪を運んできます。
薪は近所の方からいただいたもの。庭木の剪定をしたり、山の間伐をしたりすると出る木材の処分は有料であったりするので、有効活用になっているそうです。
 
火が灯ると、暖かな空気が広がります。
部屋全体を温めるには1時間ほどかかるため、朝はファンヒーターを使いますが、その後は薪ストーブのみで十分暖かいと言います。階段室に面した引き戸を開ければ、その奥にある水回りや2Fまで暖気が巡り、暖かく過ごせます。


娘さんや息子さんも薪ストーブの暖かさが大好きで、お隣に住まわれているご主人のお母様も時折訪ねてはこの空間でくつろがれているそう。
 
K様ご家族はカードゲームがお好きで、夕食の後にリビングで皆でカードゲームに興じるのが毎日のルーティン。暖かなLDKが家族の団欒の中心にありました。
 
 
 
 

道具が整えられたストーブ周り。奥様はアウトドアがお好きで、息子さんと一緒にキャンプをすることもあるそう。

エアコンは夏用。冬は朝にファンヒーター、それ以外は薪ストーブで事足りる。

薪棚。いただいた木材をご主人が割り重ねて、乾燥させている。

笑いの絶えないK様ご家族。夕食のあとは、ここでカードゲームに興じるのが毎日の楽しみだそう。

 
それぞれの趣味を楽しむ
 

ゆったりとしたお庭には井戸があり、手入れの行き届いた庭木を望むところにあるウッドデッキには猫ちゃんが寝転ぶ。さやえんどうや三つ葉などがある家庭菜園越しに広がる西三河の山々。そばを小川が流れ、所々民家がありながら、広がる田畑のある景色。K様のお住まいは、穏やかな里山の風景の中にあります。
 
K様はお近くに畑をいくつか持っておられるので、そのうちのひとつの畑を見せていただきました。
 
 

川が流れ、山々や田畑が広がる、穏やかな里山の風景。

 

お伺いした初冬は、大根、サニーレタス、春菊、青梗菜、ネギ、日野菜蕪、人参などが生き生きと育っていました。写真右は、畑で談笑するK様とスタッフの平岩です。

 

黒のマルチにはチューリップが植えられています。(写真右)

 

ハウスの中は葡萄棚。
収穫したお野菜を洗う水は井戸水。近くの川に向けて水路も整えられている。

 

畑ではご夫婦で季節のお野菜やぶどうなどの果樹、お花などを育て、家では、外でお茶をしたり、猫ちゃんと戯れたり、ご主人はゴルフの練習をしたり、奥様はボタニカルアートを描いたりお着物のリメイクをしたりと、思い思いの穏やかな時間を過ごしておられます。
 
 

奥様が描かれたボタニカルアート。

 

リビング横にある縁側に面した和室は、日中は奥様の趣味部屋で夜はご主人の寝室になる。
縁側は、ご主人がパターゴルフの練習をしたり、奥様が育てておられる観葉植物の保管場所であり、お隣のお母様の家への通路でもある。節のない桧の床が印象的。

 

地域猫である虎模様の「とらちゃん」と、黒猫の「ぎんちゃん」が毎日遊びに来る。

実は娘さんがこのほどご結婚され、お家をでられることになったのですが、お近くの家なので、またこの家にお集まりになり、これからも賑やかな食卓を囲むのでしょう。笑顔の絶えないK様の暮らしを、これからも建物面で支えていきたいですし、見守っていきたいと思います。
 
K様、暮らしを見せていただき、ありがとうございました。
 
 
 

井戸のテーブルを囲んだお庭カフェにて。
(⽂・写真:松尾 絵美⼦)

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