これからの時代、将来のことを考えると、どんな家を建てるのがいいのか?

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現代社会は大きな変化を遂げています。テクノロジーが進化し、環境保護に対する意識が高まり、ライフスタイルも多様化しています。

これらの変化に対応するために、住宅に求められるものも変わってきています。

これからの時代、どんな家を建てるのがいいのか?

結論としては「納得できる家づくりができるか?」ということになると思います。

いくら他人が「正解」や「最適解」を言っていたとしても、あくまでも家を建てるのは「自分自身とご家族」。

子や孫、その次の世代へと住み継ぐことを考えるかどうかも関わってきますが、その考え方も含め、ご自身の思考、ライフスタイルを考慮した「納得できる家づくり」になるのではないでしょうか?

この記事では、これからの時代に求められる住宅について考えていきますので「ここは合うな」「ここは違うかな」と、記事を参考にしていただき、ご自身の思考と照らし合わせてみてください。

きちんと計算された耐震性能の高い家

耐震性能について考慮することはとても重要です。地震が多い日本では、耐震性能の高い住宅は求められます。

特に、地震による被害を最小限に抑えるためには、耐震等級3以上の住宅を建てることが必須です。

耐震等級を決める方法は「性能表示計算」または「許容応力度計算」を行う必要があります。
どちらの方法も条件を満たせば耐震等級3を取得することが可能ですが、その中身はまったく違います。

  • 性能表示計算:仕様に当てはめた簡易計算。
  • 許容応力度計算:全て細かく計算する。

同じ耐震等級3であっても、性能表示計算で建てた家よりも、許容応力度計算を行った家の方が地震に強いです。

「許容応力度計算」では構造材の種類や大きさ、耐震壁や耐震床など全ての強度とバランスを計算した方法です。で建てられた耐震性能の高い住宅は、地震による被害を最小限に抑えるだけでなく、長期的に住宅の価値を維持することもできます。これからの時代には、耐震等級も変更されるかもしれません。許容応力度計算は自ずと必要になり、さらに耐震性能の高いバランスの良い住宅が求められるでしょう。

エコフレンドリーな住宅

環境問題が深刻化する中、エコフレンドリーな住宅が注目を集めています。エコフレンドリーな住宅とは、自然エネルギーを利用し、省エネルギーであることが特徴です。

具体的には、断熱性能の高い窓や壁、天井、床や基礎を採用することで、エネルギー消費を抑えます。

太陽光や風などを最大限利用して、大掛かりな機械設備に頼り過ぎないこともエコフレンドリーな住宅になります。

また、木や漆喰など天然素材を使用することで、100年後200年後、建物の役目を終えた後の解体時には、その天然素材が再利用できる可能性があります。

漆喰などは土に還ったり、木は、再利用で棚になったり、薪ストーブなどの燃料になったりと、ゴミではなく資源として再利用にも期待できます。

注意点として、太陽光発電設備や風力発電設備などの再生可能エネルギーを利用する場合の大掛かりな機械設備はメンテナンスが必ず必要になります。使っているうちは良いと思いますが、利用しなくなった時のことも視野に入れて導入を検討しましょう。

このように、これからの時代には、地球環境に配慮したエコフレンドリーな住宅が求められるでしょう。

パッシブデザインを取り入れる

日本の気候に合わせた暮らしをするために、パッシブデザインを取り入れた住宅が注目されています。

パッシブデザインとは、太陽光や風を利用する設計手法で、冬場は太陽熱を取り込んで暖を取り、夏場は風を通して涼しくすることができます。

具体的には、南面の窓を大きくする場合、落葉樹を植えると夏は葉が茂るので木陰をつくったり、葉っぱによる蒸散効果で気温を下げたり期待できます。冬は葉が落ちて太陽の恩恵を受けるのが期待できます。

南面の窓の外にゴーヤやキュウリなどを植えて、食べるのも楽しみながら日除けをつくりだすのも効果的です。この場合、愛知県三河地方の場合、4月末には植えておかないと成長が夏に間に合いませんので準備期間を逃さないようにしてください。他の地域の方は、近くの園芸屋さんに確認してみてください。

樹木や植物を植えるのは苦手な方の場合、夏は窓の外に日除けとなるモノを取付けて、冬は外すなどしておくといった方法もあります。

すだれ、よしずが代表的ですが、デザイン性を重視したい方には、建物のデザインと合わせて収納できる格子窓や通風雨戸の利用も良いでしょう。

取り外しが面倒な方は、外付けブラインドが良いかもしれません。電動タイプもあります。

高気密高断熱住宅といわれるカテゴリーの住宅が今まで多く建てられてきましたが、大掛かりな全館空調で快適に暮らすことが主な暮らしになる住宅がほとんどです。とても快適で健康的に暮らせるのですが、停電時や、機械設備が故障した場合などは快適性が損なわれてしまいがち。

さらに年齢を重ねるていくと快適性、心地よさの感じかたに変化が起こってきます。

日本人の情緒的な感情に合わせると、夏は風通しが良く、春や秋を感じ、冬はヒートショックにならない、そして心地よいくらいに暖かい。そんな性能の住宅が好まれます。

子育て世代が新築される場合が多いので、年齢を重ねていった時の感情までは想像しにくいので仕方ないことですが、永く住むことを考えた場合は、高気密高断熱の性能を、その土地の状況に合わせて必要最低限にしておき、機械設備にも頼り過ぎないことが良い気がしますし、今後は求められていくでしょう。

これからの時代には、快適性と環境配慮を両立し、日本の土地に合った情緒もある住宅が求められるでしょう。

ちいさな家

ライフスタイルの多様化に伴い、小型の住宅が注目を集めています。

中でも、マイクロハウスと呼ばれる小型住宅、すなわち「小さな家」は、持ち主のニーズに合わせたカスタマイズがしやすく、低予算で建てることができるため、日本以外の世界では若い世代を中心に人気が高まっています。

また、ちいさな家は、エネルギー消費も少なく、清掃やメンテナンスも簡単です。

これからの時代には、都市部での生活よりも、都市部に近い生活が増えていくことが予想されます。

限られたスペースでも快適に生活できることはもちろん、比較的広い土地でも野菜を育てたり、ニワトリやヤギを飼ったり自給自足の暮らしや、店舗や事務所を建てたり、工房を建てたり、トレーラーハウスを活用したりもできます。それらを人に貸して家賃収入を得るなんてことも考えられます。

人生100年時代となったこれからは、ライフスタイルの変化を考えて「ちいさな家」が注目されるでしょう。

スマートホーム

テクノロジーの進化に伴い、スマートホームが注目されています。スマートホームとは、家電製品や照明、セキュリティなどをインターネットに接続し、スマートフォンやタブレットなどのデバイスから制御することができる住宅です。

スマートホームは、省エネルギーや防犯効果が高く、居住者の生活をより快適にすることができます。

また、人工知能を搭載したスマートホームは、居住者の健康を監視し、自動で適切な環境を提供することも可能です。

これからの時代には、テクノロジーがますます進化していくため、スマートホームがますます普及することが予想されます。

注意点として、こちらも大がかりな設備や、何かと一体になってる場合、例えば、壁に組み込まれているタッチパネルなどは、将来テクノロジーがさらに進化すると、処分に困ります。

あとで困らないようなモノ、後付できるモノがオススメできます。

家づくりのプロセスも大事

住宅を建てる際には、家づくりのプロセスも忘れてはいけません。

設計士との相性やコミュニケーションも重要です。

設計士との相性が良ければ、自分たちの理想の住宅を実現することができます。

また、設計士とのコミュニケーションが円滑であれば、トラブルを未然に防ぐことができます。

設計士との相性やコミュニケーションを考慮することで、理想の住宅を建てる準備ができます。

そして、設計から家が建てられている過程、どんな想いで設計されてきたか、現場監督さんや職人さんがどんな気持ちでどうつくっているのかを知ること、「プロセスを共有できること」がこれからの家づくりに欠かせません。

現在は昔と違い、安全面ということから、お施主様が現場に立ち入ることができなかったり、気軽に現場に行くことは禁止され、現場に行くときは必ず連絡して担当者と一緒でないと現場に入れないという会社が大手会社を中心に増えてきました。

現場が始まってから、なるべく現場に足を運んで、監督さんや職人さんと会話することで、お施主様にとっても、現場にとっても、より良い家づくりになると思いますし、なによりも、家が出来ていくプロセスを共有することで、その家への関心、愛が変わっていくと思います。

家という「物」から、自分自身のなにかに変わる瞬間が「家づくりのプロセスの共有」にはあります。

まとめ

これからの時代に求められる住宅は、

・地球環境に配慮したエコフレンドリーな住宅

・日本の気候に合わせた暮らしを実現するパッシブデザインを取り入れた住宅

・ライフスタイルに合わせてカスタマイズできる小さな家

・テクノロジーを活用したスマートホーム

・家づくりのプロセスが共有できる

が注目されます。これらの住宅は、省エネルギーや快適性、生活の利便性、日本人の情緒にも配慮した設計など、様々なメリットを持っています。

今後は、より高度なテクノロジーが住宅に取り入れられ、住宅の機能が向上していくことは期待されますが、モノづくりのプロセス、家づくりのプロセスが共有、シェアできることも求められていくでしょう。

この記事を参考に、ご自身が納得できる家づくりがスタート出来れば幸いです。

ナルセノイエでは、人と環境にちょうどいい住まいづくりも提案しております。家づくりのプロセスも共有できますので、モデルハウスや見学会などでお会いできることを楽しみにしております。