「高気密高断熱住宅なのに冬になると家が寒い」
このように暖房をつけていても家の中が寒いと感じる場合、換気システムが原因の可能性があります。
今回は、その原因と対策について紹介します。
□高気密高断熱住宅なのに冬に室温が低くなってしまうのはなぜ?
高気密高断熱住宅とは、「隙間をなるべく少なくすることで、室内の空気が外部に逃げることが少なく、外気温の影響を受けにくくする」断熱の性能が高い家のことを指します。
断熱性能が高いため、効率よく冷やしたり暖めたりできます。
高気密高断熱の性能を十分に発揮するには、いくつかのポイントが存在します。
ここでは、高気密高断熱の家なのに寒いと感じる原因について紹介します。
原因の1つとして、「換気」の問題が考えられます。
高気密高断熱にすることで、熱は逃げにくくなりますが、住む人の吐く息、二酸化炭素が溜まってしまいますし、生活するうえで出てくる臭い、ヘアスプレーなどに含まれている可能性のある揮発性有機化合物なども溜ってしまいます。
そこで、日本の住宅では、家の容積の空気を2時間に1回入れ替える法律があります。1時間に0.5回とも言い換えられます。1日で12回入れ替えるということです。
せっかく暖まった空気を1日に12回入れ替えるので、寒く感じてしまうのも無理はないですね。
換気の方法はいくつかありますが、熱の観点で考えると、3パターンあります。
よく、1種換気、2種換気、3種換気の3パターンを言われますが、それは換気の方法で、熱の事とは違います。
換気の熱交換の種類は、
- 屋外から入ってくる空気の熱をほぼそのまま屋内に入れる(熱を交換しない)
- 給気の際に直接外気を取り入れることになるため、寒さを感じる要因になりやすい
- 建築コスト、ランニングコスト、メンテナンスコストの全てにおいて他よりも安い
- 屋外から入ってくる空気の熱を暖めたり冷やしたりしてから屋内に入れる
- 主にヒーターや、エアコンなど使うので、電気代などのコストがかかる
- 建築コスト、ランニングコスト、メンテナンスコストの全てにおいて他よりも高い
- 屋外から入ってくる空気の熱を外に排出する空気の熱を利用してから屋内に入れる
- 排気する空気から熱を回収して、給気する空気に熱を伝えます。
- 建築コスト、ランニングコスト、メンテナンスコストの全てにおいて他よりもやや高め
その他に、ダクトを使うのか、使わないのかなども考えなくてはいけません。
□高気密高断熱住宅を建てる際の注意点について
高気密高断熱の機能を生かすためにも、住宅を建てる際にはいくつかの注意点が存在します。
ここでは、そのうちの「換気システム」の注意点について紹介します。
高気密高断熱住宅は、気密性が高いため、換気システムが正常に動き続けないと、換気不足により空気が汚染したり、結露によりカビが生えたり、通気性の欠陥によりダニが繁殖したりするなどの健康被害につながります。
これらの健康被害に陥らないためにも、高気密高断熱住宅は「換気」がとても重要です。
熱の観点でのおすすめの換気システムは、第1種換気か第3種換気の「全熱交換型」となります。
□まとめ
今回は、高気密高断熱住宅を建てる際の「換気の熱」について紹介しました。
高気密高断熱を住宅に適用することで、得られるメリットもある一方で、いくつかの注意点も存在します。
今回の記事が、高気密高断熱住宅を建てる際の参考になれば幸いです。
地域の素材を使い、地域の職人による手作業でつくられた住宅を提供する当社では、注文住宅に関するメルマガを配信しておりますので、家づくりの参考にしてください。